弁護士法人FAS淀屋橋総合法律事務所

ニュースファイル 保育事故

当事務所の弁護士の活躍分野のニュースファイルです。

●保育施設側と市提訴 大阪・うつぶせ寝死亡 男児の両親(朝日新聞 2018.4.5 朝刊)

大阪市淀川区の認可外保育施設(閉鎖)で2016年、うつぶせで寝ていて死亡した男児(当時1)の両親が4日、施設の運営会社(同区)や大阪市などに約8700万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。
原告はAさんとBさん夫妻。訴状によると、長男は入所初日の16年4月4日、昼寝中にうつぶせになり、保育士が抱き上げるとチアノーゼ症状が出ていた。搬送先の病院で死亡し、死因は吐いた物がのどに詰まったことによる低酸素血症だった。
両親は、施設側が寝ている子どもに仰向けの体勢をとらせ、呼吸を細かく観察するなどの注意義務を怠ったと主張。大阪市は施設への監督・指導の責任を放置したとしている。
AさんとBさんは会見で「長男は優しくてよく笑う子だった。施設側は責任を認め、謝罪してほしい」と話した。運営会社と大阪市は「事故が起きたことは残念だが、コメントは控えたい」としている。


●うつぶせ寝死亡事故 損害賠償求めて提訴 両親、施設元職員らに(読売新聞 2018.4.5 朝刊)

大阪市淀川区の認可外保育施設「たんぽぽの国」(閉鎖)で2016年、うつぶせ寝の1歳男児が死亡した事故で、両親は4日、大阪市と運営会社、元職員らに対し、計約8660万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。
訴状によると、施設では16年4月4日、Aちゃん(当時1歳2か月)が昼寝中にうつぶせの状態で顔色が悪くなっているのが見つかり、病院へ運ばれたが死亡した。死因は、吐いた物を喉に詰まらせたことによる窒息死だった。
両親は、当時の職員が呼吸を確認するなどの注意義務を怠ったうえ、異変に気づいてから20分以上後に119番しており、適切な救命措置を受けられなかったと主張。市も施設を十分に指導しなかったとしている。
市と運営会社はいずれも「訴状が届いておらずコメントできない」としている。


★高槻の認可外保育施設での男児うつぶせ死損害賠償請求事件についての報道
 ※当ホームページ掲載にあたり、記事中の人名の一部について改変しています。

●うつぶせ寝死亡 両親と施設側和解〜大阪地裁(読売新聞 2015.3.20朝刊)

大阪府高槻市の認可外保育施設で2011年、うつぶせ寝の状態で窒息死した男児(当時1歳)の両親が、施設の代表者などに約6000万円の損害賠償を求めた訴訟は19日、大阪地裁(三木素子裁判長)で和解した。施設側が両親に2500万円を支払い、再発防止に努めることなどが条件。
両親は建築業Aさん(41)とBさん(42)。訴状によると、長男のCちゃんは11年4月25日、昼寝中に心肺停止状態になった。両親は12年7月、施設への指導を怠ったとして被告に市も加えて提訴した。
地裁が昨年11月に和解勧告。和解条項には▽施設側は乳幼児の睡眠時、1歳未満は5分ごと、1歳以上は15分ごとに様子を確認するよう努める▽両親は代表者らに対する保護責任者遺棄致死容疑の刑事告訴を取り下げる▽市への訴えを放棄する──なども盛り込まれた。施設側は取材に対し「安全な保育の実現と再発防止に努める」とコメントした。


●高槻・男児うつぶせ寝死 市・保育所と両親が和解(朝日新聞 2015.3.20朝刊)

高槻市の認可外保育所で1歳3か月の男児が死亡したのはうつぶせ寝で放置されたためだとして、両親が保育所長と保育士、同市に約6千万円の損害賠償を求めた訴訟が19日、大阪地裁(三木素子裁判長)で和解した。
原告側代理人弁護士によると、保育所長と保育士が両親に解決金2500万円を支払い、事故防止策を徹底することなどで合意したが、市の責任は認められなかったという。原告側によると、男児は2011年4月25日午後、うつぶせ寝の状態で昼寝中に呼吸が止まり、病院で死亡が確認された。訴訟では、所長らの見回りが十分だったかなどが争われたが、裁判所の勧告を受けて和解した。
会見した母親のBさん(42)は、「(事故防止策が盛り込まれたことで)少しでも進歩したとおもう」と話した。


★認可外保育施設での乳児死亡事故~ラッコランド京橋園事件

※当ホームページ掲載にあたり、記事中の人名の一部について改変しています。

●乳児突然死 両親逆転勝訴 うつぶせ寝 施設側に賠償命令 大阪高裁(2015年11月26日 読売新聞朝刊)

大阪市都島区の認可外保育施設「ラッコランド京橋園」(閉鎖)で生後4か月のAちゃんが突然死したのは、うつぶせ寝で放置されたことが原因として、両親(大阪市旭区)が施設の運営会社と大阪市などに計約6400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、大阪高裁であった。林圭介裁判長は「施設側に注意義務違反があった」と述べ、請求を棄却した1審・大阪地裁判決を変更し、同社などに計約5000万円の支払いを命じた。
控訴審判決では、Aちゃんは2009年11月、施設内のベッドでうつぶせ寝のまま心肺停止状態となり、搬送先の病院で死亡した。
昨年9月の1審判決は、顔は横向きだったとして、原因不明の乳幼児突然死症候群(SIDS)と判断。同社側の責任を認めなかったが、林裁判長は、口などから出た分泌物が、マットレスの中まで染み込んでいたことを挙げ、「顔を真下にした状態だったと考えられる」とした医師の証言を重視し、うつぶせ寝による窒息死と認定した。
また、当時は、保育士資格のない2人が乳幼児17人を担当しており、人員配置の不十分さも指摘した。
一方、施設への調査権限などを持つ大阪市への賠償請求は、改善指導を行っていたなどとして退けた。
母(27)は判決後、「この判決が、保育が良くなる第一歩になればと思う」と話した。

●うつぶせ寝 乳児死亡 施設側に賠償命令 大阪高裁判決(2015年11月26日 朝日新聞朝刊)

大阪市都島区の認可外保育施設(閉鎖)でうつぶせ寝の状態で死亡した生後4カ月の男児の両親が、経営会社側と監督権限を持つ大阪市に約6500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、大阪高裁であった。林圭介裁判長は請求を退けた一審判決を変更し、経営会社や施設長らの過失責任を認定。計約5千万円の支払いを命じた。大阪市への請求は「事故前に立ち入り調査をしていた」などとして退けた。
訴えていたのは、会社員のAさん(27)とBさん(27)。判決によると、Aさん夫婦の長男は2009年11月17日の昼、施設内のベッドで鼻血を出した状態で見つかり、病院で亡くなった。当日、施設には保育士の資格を持たない職員2人が子供17人を世話していた。
Aさん夫婦は「施設は、子どもの様子に目配りする義務を果たさず、市は監督責任を怠った」と主張。昨年9月の一審判決は、「長男は顔を横に向け、鼻や口が見える状態で寝ていた」とする職員の証言を踏まえて乳幼児突然死症候群(SIDS)が死因と判断していた。
控訴審判決は、当時は職員が多忙な時間帯だった▽室内は子どもたちを昼寝させるために消灯されていたとし、職員が長男の状況を十分確認できたとはいえないと指摘。ベッドのマットレスにまで血液混じりの分泌物が染み込んでおり、「顔が真下になって窒息した」と認定した。


●乳児うつぶせ死訴訟、両親が逆転勝訴 施設側に5千万賠償命令(2015年11月25日 産経ニュース)

大阪市都島区の認可外保育施設「ラッコランド京橋園」(閉鎖)で平成21年、生後4カ月の男児が死亡したのは、うつぶせ寝を放置したのが原因だとして、両親が施設運営会社「エンジェル・ハート」(同区)と市などに約6500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、大阪高裁であった。林圭介裁判長は「死因はうつぶせ寝による窒息死だった」と認定。施設の責任を認めなかった1審大阪地裁判決を変更し、同社側に約5千万円の賠償を命じた。市への請求は1審同様に棄却した。
男児は同市のAちゃん。判決によると21年11月、施設のベッド上で心肺停止となり、搬送先の病院で死亡した。当時は保育士資格のない職員2人だけで園児17人の世話をしていた。
1審判決は、Aちゃんの死因が乳幼児突然死症候群(SIDS)だったとして施設側の過失を否定したが、林裁判長は、Aちゃんがはき出したとみられる液体がマットレスに深く染み込んでいた点を重視。「顔を真下にした状態で鼻や口をふさがれ、窒息死に至ったと推測できる」と述べた。 施設の職員はAちゃんがよくうつぶせになることを知っていたのに、ベッドに寝かせた後はチェックもせず放置していたと指摘、注意義務違反を認定した。
市の対応については「施設への改善指導を行っていた」と述べ、違法性はないとした。 判決後に取材に応じた母(27)は「Aちゃんにはもう二度と会えない。心の底からうれしいとは言えないが、保育が良くなる第一歩になればいい」と話した。


※児童保育サービスの問題と当事務所の取り組み


赤ちゃんを保育所や保育ママのところに預けていたら、死亡してしまったり重体に陥ってしまったという事件が全国各地で起きています。
公立保育所への入所が容易ではなく、人員配置や施設が劣悪で、十分な保育がなされていない状況が背景にあります。
大阪も例外ではありません。
当事務所は、死因究明と再発防止に向けて、こうした赤ちゃんの急死の問題に積極的に取り組んでいます。
死亡原因が不明とされたり、SIDS(乳幼児突然死症候群)とされた中には、預け先に過失が疑われる場合があります。
ラッコランド京橋園のケースなど、悪質なケースについては、責任の所在を明確にすべく、刑事告訴も行っています。
赤ちゃんにとって安全・安心な、より良い保育サービスが提供されるよう今後も積極的に取り組んでいきます。
※もしお子さんが不審な死をとげられた場合、死因をはっきりさせるには、解剖が必要です。


★ニュースファイルもくじ
◎マスコミ報道、コメント
◎意義ある裁判提訴、成果
◎国会公述、講演
◎著書への評価